・呼吸器の老化
・免疫も衰える
・誤嚥による事故
今回も老化についてお話し致します。
年齢と共に内側も衰えていき、体内の機能が低下していきます。
各機能ごとに起きる老化についてまとめました。
●呼吸器の老化
呼吸器とは、呼吸に関わる器官(鼻、喉、氣管、氣管支、肺)の総称です。
肺が換氣という役割を担い、肋骨の間にある肋間筋や横隔膜では
伸び縮みをする呼吸動作が繰り返されています。
加齢に伴い、呼吸器の筋肉量が減少するため、収縮活動も低下します。
肺で呼氣と吸氣の交換をしている肺胞も加齢で硬くなり、収縮活動が低下します。
長年換氣を続ける間に損傷と修復を繰り返しによって、線維化された。
特に喫煙者は線維化の傾向が強いです。
●消化器の老化
消化器は食べた食物を消化し、営養吸収する。
そして、体内の老廃物を排出するまでの働きを担っている器官です。
それぞれの器官が老化にって、どのように変化していくかまとめました。
<口の中>
唾液腺の萎縮、筋肉や類分量の低下によって唾液の分泌が減り、口腔内が乾燥します。
唾液は体にとって大事な働きをいくつも担っていいて、消化器の働きも助けています。
食べたものをスムーズに飲み込めるのは唾液のおかげです。
口腔内が乾燥すると、食べ物と混ぜて飲み込むのが困難になり、
誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。
<食道>
噛み砕いた食べ物を胃へ送る器官です。
粘膜が萎縮して食道括約筋の筋力が低下によって、胃食道逆流症のリスクが高くなります。
また、食べ物を胃へ送るための蠕動運動も弱くなります。
<胃>
食べたものを消化する重要な器官です。
加齢により胃粘膜が萎縮すると、胃液の分泌が低下します。
これは主にヘリコバクターピロリ菌の感染が原因です。
胃粘膜の萎縮が進むと、萎縮性胃炎を引き起こします。
<腸>
腸では食べたものから営養吸収が行われています。
老化により蠕動運動が弱くなったり、肛門括約筋の筋力が低下すると、
スムーズに排泄されづらく、便秘になりやすくなります。
食べ物や水分の摂取量が減ることも、便秘の要因となります。
粘膜の水分量が減ったり、器官を動かす筋力が弱まったりして、機能が低下すると
様々な病氣にかかるリスクも高くなります。
●免疫の老化
加齢によって免疫機能も老化します。
免疫は大きく分類すると、自然免疫と獲得免疫に分かれます。
自然免疫はもともと体に備わっている免疫です。
マクロファージ、好中球、樹状細胞、NK細胞は自然免疫を担っている細胞です。
このうち、マクロファージ、好中球、樹状細胞は
体に入って来た病原体や異物を飲み込んで分解することから「食細胞」とも呼ばれています。
皮膚や粘膜が病原体から体を守る第一段階のバリアとなっています。
しかし、皮膚や粘膜を通り越して組織に入って来ると、食細胞は感染部位に集まります。
そして手当たり次第に病原体を飲み込んで消化・分解していきます。、
さらに腫れ、痛み、発熱など炎症反応を起こして、獲得免疫を発動させるための橋渡しもしています。
NK細胞はウイルス感染した細胞やがん細胞を見つけると、
真っ先に単独で、感染した細胞ごと病原体を殺します。
獲得免疫は一度体に入って来た病原体に対して、抗体を作ります。
抗体は特定の病原体に対して、強力な攻撃力を持っています。
加齢の影響を受けて獲得免疫の方が衰えやすく、それは抗体が作られるしくみと関係があります。
リンパ球の一種であるT細胞から抗体を作る指令を出し、その指令を受けてB細胞が抗体を作ります。
T細胞は胸腺で作られていますが、加齢で胸腺が萎縮すると、体内のT細胞が減少します。
そのため、病原体が入って来ても、抗体を作るための連携がスムーズにいかず、
獲得免疫の機能が低下してしまいます。
免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなります。
高齢になると基礎疾患を持っている人が多く、重症化することもあります。
若いうちなら治るものも、合併症を引き起こして命を落とすこともあるのです。
●誤嚥について
食べたものが食道ではなく、誤って氣道の方へ入ってしまうことを誤嚥といいます。
高齢者の肺炎は発熱や咳のような症状が出にくく、
「何となく調子が出ない」というように発症したと分かりづらい特徴があります。
高齢になると、食べて飲み込む動作がしづらくなります。
まず、食べ物を噛んで唾液と混ぜますが、高齢になると歯が抜けていたり、
唾液の分泌が少なくて上手くいかないことがあります。
毎日自然と行っているので、普段は意識することはありませんが、
わたし達は食べている時に器用に舌を使って、噛み砕いたものを喉の方へ送り込んでいます。
飲み込んだものは食道を通り、胃へと運ばれます。
しかし、老化によって舌や喉の筋力が低下していたり、胃食道逆流症の人は
上手く呑み込めないこともあります。
2021年の統計によると、日本人の死亡原因の中で誤嚥性肺炎は第6位に入ります。
食べたものが誤って肺に入ることで細菌が繁殖して起きるため、予防が大切です。
全身で起きる老化は繋がっています。
内臓の筋肉が衰えて様々な機能が低下して、病氣を発症するリスクが高くなります。
体の老化をいかに遅らせるかが、健康で生きるために重要です。
思うように身動きがとれないと自然と動きたくなくなり、運動量も落ちやすいです。
年齢を重ねながら元氣に動き回れるか、出不精になって引きこもるか。
どちらが健康的で幸せな生活であるかは明らかです。
この続きは次回にお話し致します。
山本 和佳
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