・血液中の重要な成分
・体の緊急事態にも対応する能力
体の中を巡る血液には、とても重要な働きがあります。
通常の体の機能を維持するためにも必要な上に、
体の緊急事態の時にも血液は大活躍します。
血液の約半分は液体で、残りは血液細胞で成り立っています。
それでは、血液のしくみについてご紹介いたします。
●赤血球
血液細胞の中で最も多いのが赤血球で、血液全体の45%を占めています。
成人では、1マイクロリットルの血液中に約500万個存在しています。
赤血球の中のヘモグロビンというたんぱく質が酸素を全身に運んでいます。
とても柔軟性に富み、毛細血管にも変形して通り抜けることができます。
肺胞で取り込まれた酸素と結合すると、赤血球は鮮やかな赤色になります。
これが動脈血液の色であり、血液が赤いのはヘモグロビンの色から来ているため、
ヘモグロビンは血色素とも呼ばれます。
平たい形をしていて、表面積が大きく、効率よくガス交換ができる。
また、細胞で酸素を渡すと、赤血球の赤みは薄くなります。
赤血球の中の二酸化炭素の割合が多いと静脈血液は色がくすんで見えます。
動脈血液と静脈血液の色の違いは、酸素を多く含むかどうかの差です。S
●白血球
白血球は様々な方法で体を守ってくれています。
赤血球が血中だけを流れるのに対して、白血球は血管の小さな隙間を通り抜けて、
組織の中でも働きます。
また、赤血球は全て同じ形なのに対して白血球は形が複数種類あり、それぞれ役目も異なります。
【顆粒球・・・好中球、好酸球、好塩基球】
好中球は白血球の50~70%を占めています。
丸い形をしていますが、変幻自在で、外部から侵入してきた細菌や真菌等を食べ、殺菌して排出します。
細菌が組織へ入ると好中球が集まって来て、自分の中に取り込んで
持っている化学物質を放出して殺菌します。
好酸球はアレルギー反応を抑えます。
また、寄生虫に感染すると持っている化学物質を放出して攻撃します。
好塩基球もアレルギー反応に関わっています。
体内でアレルギー反応が起きると、ヒスタミンなどを放出して、かゆみや腫れが表れます。
【リンパ球・・・T細胞、B細胞、NK細胞】
リンパ球は免疫の主役を担っています。
T細胞はウイルスや病原体が入って来ると、それと結合して排除します。
また、B細胞の働きを助けたり、逆にブレーキをかけたりします。
B細胞はウイルスや病原体が入って来ると結合して、無力化させたり死滅させます。
T細胞とB細胞は獲得免疫に関わっていて、一度侵入した異物の特徴を記憶します。
そして同じ異物が再度侵入したら、抗体を作ってただちに駆逐します。
NK細胞は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を見つけると、直ちに攻撃します。
T細胞やB細胞との違いは、自然免疫として働くという点です。
【食細胞・・・単球、マクロファージ】
単球は白血球の中で最も大きく、血液に乗って流れていきますが、
炎症反応が起きると活性して、血管から出てマクロファージや樹状細胞に分化します。
マクロファージは病原体を飲み込むほか、病原体に破壊された細胞も飲み込んで
酵素で分解します。
また、信号物質を分泌して、好中球などの免疫細胞を呼ぶなど
自然免疫反応の司令塔としても働きます。
樹状細胞も病原体を飲み込むが、病原体の情報をT細胞やB細胞に伝える能力に優れています。
●血小板
血小板は約3マイクロメートルの小さな血球です。
血液1マイクロリットル辺り、およそ15万~40万個あります。
出血が起きた時、まず傷ついた血管が収縮して血液の流れを減らし、
そこからの出血をできるだけ少なくします。
そして、血中の血小板が傷口に糊のようにくっつきます。
張り付いたたくさんの血小板は、お互いにくっついて、血管が破れた部分を覆います。
そうして出来るのが一時血栓で、その後で血漿中のフィブリンによって
より強い二次血栓となり、止血が完了します。
血小板が血液中を流れるのは8~10日と短い寿命ですが、いざという時に大事な仕事をしてくれます。
●血漿(けっしょう)
血液の55%を占める血漿のほとんどは水分で、運搬する役目があります。
たんぱく質、糖、脂質などの営養素は血漿に混じって流れていきます。
他にも血漿には、病原体を排除する働きもあります。
血漿の中には血漿たんぱく質が含まれていて、そのうち60%を占めるアルブミンは
血液の量を一定に保っています。
アルブミンは血管の中に多く、血管外には少ないです。
そのため濃度を一定に保とうとして
血管の内側に水分を引き込む力が生じることで、血液量が一定に保たれています。
さらに脂溶性物質(脂質、ビタミン、ホルモン、酵素)の運搬も、大事な役割です。
水に溶けない脂溶性物質は、そのままでは血液に乗れないため、
見ずによく溶けるアルブミンと結合することで、血液に運ばれていきます。
体内の血液の総量は体重の約8%を占めています。
血液は心臓のポンプで送り出され、動脈を通って全身を巡り、毛細血管まで行き渡ります。
全身の細胞へ酸素や営養を送り届け、老廃物を回収します。
そして静脈を通ってまた心臓へ戻ってきます。
細胞が活性すると、器官や組織も正常に働きます。
酸素や営養素を不足なく受け取り、細胞から出た老廃物を血液に乗せて回収されていく。
血管という重要な通り道がスムーズである事は健康な体の必須条件です。
営養をしっかり摂る事と、体に必要でないものは極力摂らない事が大切です。
例えば、動物性食品を摂り過ぎると脂質が過剰になり、動脈硬化を引き起こします。
また、食べ過ぎも代謝を乱して老廃物を増やしてしまいます。
先に紹介しました血液の成分は、体のために有効な働きをしています。
その力を十分に発揮するためには、なるべくその邪魔をしないこと。
血液をきれいに保つことが大切です。
山本和佳