・腸内細菌バランスの崩れ
・自己と非自己を認識する
●腸は最大の免疫器官
腸管は体内で最大の免疫器官です。
全身のリンパ球の60%以上が腸管に集中していて、抗体の60%は腸管で作られています。
腸管は以下の特徴があります。
・危険な病原菌やウイルスを排除する。
・食品や腸内細菌など安全なものに対して寛容で、排除しない。
人間は毎日多様な食べ物を食べています。
そこには異種たんぱく質も含まれ、抗原物質を持っています。
しかし、腸管免疫は食べものが持つ抗原には反応せず、消化・分解され、
アレルゲン活性を失います。
中には一部アレルゲン活性が残るものもあり、
これに対して起きる過敏な免疫反応が食品アレルギーです。
ここで言う食べものとは、健康な腸内細菌が体に必要と判断したものです。
腸内環境のバランスがとれるものを食べると、免疫力が上がります。
肉や食品添加物は食べるものではありません。
抗原とは、生体に免疫応答を起こす物質を指します。
体に必要な食べ物には免疫反応を示しませんが、病原菌には反応して攻撃します。
適切で迅速な免疫反応システムは、腸内細菌が正常な状態で働きます。
腸内細菌が乱れると免疫が下がりますので、病原菌など異物を攻撃する力が弱くなります。
体に良いものでも、食べ過ぎは良くありません。
消化に余計なエネルギーが使われて、全身の血行が悪くなってしまうからです。
だから正しいものを適量食べることが重要です。
●自己と非自己
食べるものの種類が多いほど、多様な抗原を体内に取り込みます。
それと共に、細菌など異物も侵入しやすくなります。
これに対抗するため、免疫機能が発達して、抗体を作るしくみができました。
食べることと免疫は切っても切れない関係にあり、
生物の進化の家庭で、免疫のしくみが高度化していきました。
食べるものも体の構造も一緒に変化してきました。
脊椎動物の中でも古くからいるヤマメウナギには顎がありません。
それよりも後に出てきた脊椎動物には顎があります。
顎があるかどうかで、食べるものが全く異なります。
顎があると噛むことができるため、食べられるものの種類は格段に多くなります。
それによって、朝刊免疫の精密なしくみが出来上がりました。
免疫は自己と非自己を見分け、非自己(侵入してくる病原菌など)を攻撃して、
自己(自分の内臓や組織など)には攻撃しません。
さらに非自己が体にとって安全か危険かという価値の判断もしています。
免疫は毎日当たり前のように働いていますが、
それは食べたものが血肉になる過程でも大変重要です。
ここで、自己と非自己の判断について少し掘り下げます。
まず、細胞死には以下の2つのケースがあります。
①非自己からの攻撃を受けて細胞が死ぬ(ネクローシス)
②生体維持のため、細胞による自死(アポトーシス
①のときに、免疫が出動します。
細菌が体に侵入すると、樹状細胞という免疫細胞が細菌を食べて分解します。
次に食べた細菌の情報をT細胞に渡して、獲得免疫が働くようサインを贈ります。
サインを受け取った免疫細胞が抗体を作り、抗原に対抗します。
また、免疫系は菌の特徴を認識します。
例えばO-157に攻撃しますが、腸内細菌は攻撃しません。
●「悪玉菌」も体に必要
腸内には善玉菌も悪玉菌もいます。
不摂生をすると腸内で悪玉菌が過剰になりますが、
健康な人の腸内にも悪玉菌は10%います。
では、なぜ免疫系によって腸内の悪玉菌は攻撃されないのしょうか。
腸内にはビフィズス菌など体に有益に働く菌がいて、
大腸菌のように病原性の菌も、数が少なくとも排除されずに棲んでいます。
免疫細胞は、外敵と見なした細菌などを攻撃しますが、
これらの有害な菌を攻撃しないのは不思議な話です。なぜでしょうか?
有害とされている腸内細菌は、腸内で免疫系が発動するような悪さをしていない。
むしろ体に良いことをしているというのです。
例えば、バクテロイデス菌は免疫活性に貢献していて、
体へ侵入してくる病原性細菌を排除する事に協力していると考えられています。
また、ほかの有害菌も免疫反応を抑えるような
働きかけをしているとも言われています。
つまり、細菌は状況に応じて変化していて
環境によって相手を攻撃したり、共存することもあるのです。
また、善玉菌だけで生きることも難しく、悪玉菌と共存して生きていられます。
もちろん、これは腸内細菌バランスが整った状態に限ります。
悪玉菌が過剰になると免疫力が低下し、全身の循環不良を起こします。
免疫の力が落ちると、本当は排除しなければならない有害菌や老廃物を
排除できなくなってしまいます。
●食べるものについて
腸内細菌が悪玉菌過多になると、体中に影響が出ます。
体も冷えて、外側から温めるだけでは不十分です。
ファーストフード、インスタント食品、コンビニ食品、お惣菜、お菓子類など
ほとんどの現代人は毎日のように食べています。
野菜が入っていても、製造の過程でほぼ全て営養が失われています。
腸内環境が悪いと、まず血液が汚れます。
それが全身を巡りますので、細胞も汚れてミトコンドリアが弱ります。
ミトコンドリアは体内で消費するエネルギーを作り出す器官です。
ミトコンドリアをサポートする副腎に負担がかかります。
副腎はホルモンを分泌する器官ですので、ホルモンバランスが崩れると
だるい、ボーっとして集中できないなど生活に支障が出ます。
また、精製されたものを食べ過ぎると、副腎に負担をかけてしまいます。
先に挙げました加工食品には砂糖や小麦など精製したものも沢山入っています。
食後に血糖値が急上昇するため、インスリンを分泌する副腎に過酷な労働を強いている。
また、薬も腸内細菌をダメにします。
化学薬品で作られていますので、全て毒性があります。
体内に入って体細胞と結びついたら、なかなか取れません。
抗生物質やステロイドも、薬の毒性を解毒するのは簡単ではありません。
薬は症状を抑えるだけ。それを治ると言って販売されています。
体の中に入ると毒が周り、病氣になっていない部分までも汚染します。
玄米菜食は、最高の食事です。
営養価が高く、内臓へ過剰な負担もかかりません。
体内の循環が良くなりますので、ミトコンドリアも活性して
エネルギーの産生効率が上がります。
つまり、きびきびと元氣よく毎日を過ごせるようになります。
季節の野菜も取り入れて、体を動かして熱を作って体を温め、冬をお過ごしください。
山本和佳