・「1日分の野菜」とは
・これが果汁100%?
・加工するほど不自然になる
●誤解されやすい表示
健康に氣をつけていると自負する人の中に、野菜ジュースを飲んでいる人がいます。
手軽に野菜の営養が摂れるからという理由で飲まれているようです。
野菜をあまり食べないから、その分を野菜ジュースで補給しようと考えている人もいます。
しかし、本当に野菜ジュースで営養が摂れるのでしょうか?
製造過程を見ると、それが明らかになります。
1日分の野菜の摂取量は約350gが目安です。
野菜ジュースは1パックで200mlくらいのものもあります。
これでは1日の摂取量に見合わないですが、
なぜパッケージには1日分の野菜と書かれているのでしょうか。
実はその表示は、ジュース1本を作るために搾った原料(野菜や果物)の重量が
摂取量(350g)を満たしているという意味なのです。
説明されなければ分からない、表示のからくり。
知ったら唖然としてしまいますね。これでは1日分の営養は摂れません。
野菜や果物の皮に営養価が高いため、果汁から素材まるごとの営養は摂れないし
食物繊維はジュースにほぼ入らないです。
また、市販のジュースには濃縮還元タイプのものも多いですが
ストレートジュースとは別物で、製造方法も異なります。
濃縮還元は、まず原料を高温で加熱して水分を蒸発させて、濃縮します。
すると、原料の6分の1くらいの体積になってドロドロした状態になります。
それを冷凍して輸送し、製造工場で水を加えて元のジュースのような状態に戻します。
この製法が「濃縮還元」と呼ばれるもので、
製造コストが安く、保存や輸送が容易なので安価で提供できるのです。
濃縮還元されたままの状態では、営養がほとんど残っていないし香りも飛んでしまっています。
原料から果汁を搾り出し、加熱した後に冷凍で保存して時間を置くという
プロセスの中で営養も失われていきます。
そこへビタミンC、カルシウム、香料などの添加物を加えて、
人工的に味や風味をつけて濃縮還元ジュースが作られます。
原料は輸入するものも多いですが、国内へ持ってきた後で水で戻せば
「国内製造」と表示できてしまいます。
さらに濃縮還元ジュースは「果汁100%」と表示する事も許されていますが、
製造過程を知ると、非常に違和感があります。
また、「濃縮タイプ」として売られているジュースの中には、
果汁がドロドロに濃縮された状態から戻す時に、加える水を少なめにして
作られているものもあります。
濃縮タイプと聞くと手間暇かけて作ったものと思いきや、
必ずしもそうでは無いので、注意が必要です。
ストレートジュースは、果汁を搾った状態で容器に詰められますので、
フレッシュな風味が特徴です。
営養面でいえば、果物を食べるのが一番ですが
もしジュースを飲むときは、ストレートジュースをお勧めします。
●たんぱく加水分解物
以前にも少し触れた、加工食品に欠かせないたんぱく加水分解物について
少し詳しくお話し致します。
塩、化学調味料と合わせて、この3つはほとんどの加工食品に使われています。
たんぱく加水分解物がこれほど使われるのは、
日本人が旨味を好む味覚に合わせて味を作れるためです。
たんぱく質を分解するには、酵素で分解する方法と
塩酸で分解する方法があります。
塩酸を使うと早く分解できるため、こちらの方法がよく使われています。
材料として使用されるたんぱく源は、植物性と動物性があります。
植物性たんぱく質の中で、最も一般的に使われているのが大豆です。
大豆はそのままではなく。油を搾り取った後の脱脂加工大豆が使われます。
搾った大豆の油は食用油として使われるそうです。
脱脂加工大豆はフレーク状のため、吸水して分解するスピードが速く、
効率よく加工できるため使われています。
水の中の大豆を塩酸で分解(加水分解)して、中和すると
複雑なアミノ酸の液体ができます。
これがたんぱく加水分解物で、旨味の素として使用されます。
たんぱく加水分解物自体は美味しくもなく、独特の匂いがありますが、
かつおエキスやスープの素などと合わせると、
匂いは消えて旨味だけが残ります。
つまり出したい味に合わせて簡単に旨味をつけられるため、
あらゆる加工食品に使用されていて、これ無しには加工食品が成り立たないと言われるほどです。
日本には味噌や醤油のように大豆から作られた発酵食品があり、
地域ごとに豊富な種類が作られています。
大豆が発酵する過程で、たんぱく質を麹の力でゆっくりと分解させ、
旨味となるアミノ酸ができます。
このように発酵して作られた味噌や大豆は味わい深く、営養価も高いです。
一方で、強制的にたんぱく質を酸で分解させようということで、
たん白加水分解物が作られました。
しかし先にも述べましたように、加工する時に塩酸を使うため
塩素化合物ができるリスクがあります。
たんぱく加水分解物は安全性の問題以外にも、味覚を壊す懸念があります。
添加物や香料などを組み合わせて本物に近い味を作り、
さらにそこへ人工的な旨味を足すと、美味しいと感じられるようになります。
加工食品を食べていると、こういう味に慣れてしまい、
素材の美味しさを感じる味覚が壊されていきます。
長期的に続けば、病氣は避けられません。
●加工度合いが少ないものを
食品添加物をなるべく摂らないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。
ファーストフードやインスタント食品のように食品添加物の塊といえるほどの
食品は食べない方が良いですが、
添加物が比較的少ないものを選ぶ事も大切です。
加工食品をなるべく摂らないことと、加工度合いが低いものを選ぶことは重要です。
例えば、乾麺(本物の)は、小麦と塩から作られています。
これに対して冷凍保存が必要なゆでた麺は、粘りを出すために増粘多糖類や
保存性を高める酸味料が添加されています。
おにぎりは家でお米を炊いて自分で握れば、もう出来上がりです。
しかしスーパーやコンビニのおにぎりは、古米を新米のように見せるために
乳化剤や油と一緒に炊くこともあります。
化学調味料で味がつけられ、保存性を高めるためにpH調整剤やグリシンが
使われています。
加工食品はすぐに食べられて便利とされていますが、
一方で弊害にも目を向けなければなりません。
営養面や健康上の問題の他に、家族同士の関係も食事次第で変わってしまいます。
冷凍食品やお惣菜が食卓に並ぶと、
その分お母さんが作る料理の味が家庭から無くなっていきます。
これはとても寂しいことです。
家で調理しても化学調味料で味付けしていれば、
食品添加物の味を好むようになります。
加工食品ばかり食べていると、食に対する考え方も歪み、
お腹が空いたらお金を払って買えばいいという発想に陥りやすくなります。
・お湯を注ぎ、3分待って食べるラーメン
・レンジで温めてご飯を食べる
・買ってきたものをそのまま食べるファーストフード
いくら食卓に家族が集まっても加工食品、化学調味料の味ばかりでは
一家団欒というには、あまりにも薄い関係だと思うのです。
お母さんの味は、大人になってもすっと記憶に深く刻まれます。
味だけではなく愛情も受け取るので、どこかで同じような味や匂いを感じると
ふと懐かしくなり、お母さんの顔が浮かぶものです。
日々の食事は親子関係、家族関係にも重要な影響を与えていると言えます。
出来るだけの中に食品添加物を持ち込まない、
手作りの料理で食卓を盛り上げましょう。
山本和佳