・腸と肝臓の連携
・糖分の摂り方について
体の中で一番大きな臓器である肝臓。
健康は腸内環境を整えることが不可欠ですが、腸と肝臓は繋がっています。
腸内環境が良好なら、肝臓も元氣。
反対に腸内が汚れていたら、肝臓は体内の毒素を解毒するために酷使されます。
●辛抱強い肝臓
肝臓の主な役割は、以下の通りです。
①体に必要なたんぱく質の合成、営養の貯蔵
②有害物質の解毒、排泄
③消化に必要な胆汁の生産
肝臓でコレステロールを原料にして作られた胆汁は、十二指腸や小腸で分泌されます。
油の消化吸収を助け、腸内をきれいにします。
油と水は分離しますが、胆汁が油と混ざる事で乳化され、
水に溶けやすい形となって、体に吸収されます。
役目を終えた胆汁は腸に戻って行き、何度も再生産されます。
このサイクルを「腸肝循環」と言い、1日に10回程行われています。
肝臓は沈黙の臓器と言われるように、症状が悪化してもなかなか気づきにくいです。
肝臓自体に神経が無いため、肝臓がダメージを受けても痛みを感じないのです。
しかし、肝臓に接している神経や筋肉などに感覚的な反応として表れます。
例えば、肝臓が疲れた時に胸や背中に近い脇腹に違和感を覚えることがあったり、
右側の大胸筋につながる神経や横隔膜が刺激を受け、右肩だけ肩がこることも起こります。
脂質異常症も自覚無く進行する病氣ですが、食事の改善で予防する事は十分可能です。
脂質の摂り過ぎが原因ですが、中でもトランス脂肪酸や飽和脂肪酸は
出来る限り避けなくてはなりません。
マーガリンやショートニングにトランス脂肪酸が含まれていて、
それらを材料として様々な加工食品が作られているので、
知らないうちに食べ過ぎている可能性があります。
飽和脂肪酸は主に肉、卵、乳製品に含まれています。
肝臓で作られる胆汁が脂質の消化吸収を助けますが、
トランス脂肪酸や飽和脂肪酸を摂ると
消化のために胆汁をたくさん必要とするため、肝臓に負担をかけます。
また、悪い油は腸内環境を汚し、腸内で発生した有害物質が吸収されて
肝臓へ運ばれます。
そして肝臓が作る胆汁が毒性を持つようになり、それが何度も生産されて
循環するため、肝臓に負担がかかります。
●動物性食品を避ける
牛や豚などの動物性食品は血液を汚し、血管を硬くします。
コレステロールの8割は肝臓で合成され、残りの2割は食べたものから体に吸収されます。
悪い油を避けることはもちろん、脂肪肝の予防に効果が高い食物繊維を
しっかり摂ることも大切です。
食物繊維が胆汁酸を吸着して、体の外へ排泄します。
すると肝臓は排泄された分の胆汁酸を生産するため、
血中のコレステロール値が低下します。
食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、
胆汁酸を吸着する作用については特に水溶性食物繊維の方が優れています。
水溶性食物繊維は野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどに豊富に含まれます。
もちろん不溶性食物繊維も体に必要な営養ですので、バランス良く食べましょう。
玄米菜食の食事は食物繊維もしっかり摂れますので、
是非とも継続して習慣にしましょう。
●脂肪よりも糖分が肝臓に悪い!?
高脂肪食の摂り過ぎも良くないですが、
肝臓の脂肪化においては、実は精製された糖分の影響が最も大きいのです。
白砂糖や清涼飲料水によく使われる果糖ブドウ糖液糖は
精製した糖分として広く出回っています。
これらを水分に溶かして飲むと、さらに肝臓に対する毒性が強くなります。
果糖ブドウ糖液糖は清涼飲料水、炭酸飲料、缶コーヒー、エナジードリンクなど
スーパー・コンビニや自動販売機で売られているほとんどの飲料品をはじめ、
その他様々な加工食品にも使われています。
砂糖や果糖ブドウ糖液糖が含まれる食品を摂ると、
消化管で果糖とブドウ糖に分解されます。
体に吸収されると、果糖は肝臓のみで代謝されます。
一方、ブドウ糖は吸収されると8割は体中の細胞内でエネルギーに変換され、
残りの2割は肝臓で代謝されます。
もし同じ量を摂る仮定をすると、果糖の方が5倍も肝臓にダメージを与える事を意味します。
小腸から吸収されて肝臓へ運ばれた果糖は、肝細胞の中の
ミトコンドリアによってエネルギー源として代謝されます。
しかし。ミトコンドリアの処理能力を超えて過剰な果糖が肝臓に入って来ると、
代謝されない果糖は肝臓で中性脂肪に変換されます。
こうして肝細胞に脂肪が蓄積され、さらに内臓脂肪や皮下脂肪としても蓄積されます。
意外に思われるかもしれませんが、果糖は高脂肪食よりも肝臓の脂肪化を促進します。
この脂肪化にはインスリンを必要としないため、糖尿病などで
インスリンの働きが悪くなっても、肝臓で脂肪がどんどん蓄積されてしまいます。
●どのように糖を摂るかが重要
果糖が肝臓にダメージを与えるとお話ししましたが、
実は摂り方によって体に入った後の作用が異なります。
急速に吸収されると直接肝臓を傷つけますが、
ゆっくり吸収されれば、小腸で果糖がブドウ糖に変換されます。
急速に吸収するとは、多量の砂糖や果糖がブドウ糖を食べた時に起こります。
特に水分に溶かして飲むと、最も速く吸収されます。
果物や野菜のジュースは、製造の過程で不溶性食物繊維がほとんど取り除かれます。
不溶性食物繊維には糖の吸収を遅らせる働きがあり、血糖値の急上昇を抑えてくれます。
ジュースが多量に体に入ると、ブドウ糖に変換する処理能力を超えてしまい、
あふれた果糖は肝臓へ運ばれます。
一方、果物を加工しないでそのままの形で食べると、
不溶性食物繊維も一緒に摂れますので、血糖値が緩やかに上昇して
ゆっくりと消化されていきます。
小腸の中にいる酵素によって果糖からブドウ糖へ変換されるため、
肝臓への直接的なダメージが少なくてすみます。
でも、くれぐれも食べ過ぎには注意してくださいね。
お酒をたくさん飲むと肝臓を傷めると言われますが、
それ以外にも肝臓を悪くする要因がたくさんあります。
果糖を例にとっても、素材を食べるのと
人工的に精製されたものとでは消化のプロセスが全く異なります。
つまり、健康に良いか悪いか分かれてしまうのです。
精製された糖分は化学物質と同じですから、
もともと体はそれらを消化吸収するように出来ていません。
そのため消化に余計なエネルギーを使い、消化管に負荷がかかり、
それに関わる器官も悪影響を受けます。
今では子どもの頃から肝臓に悪いものが口からたくさん入って来るので、
早いうちから食習慣を改善して、元氣な肝臓を維持しましょう。
山本和佳