・肝機能を助ける○○
・食欲を正常にコントロールする方法
肝臓は最も大きな臓器で解毒や代謝、免疫機能の維持にも関わっています。
そのため肝機能が下がると、全身に悪影響が広がります。
逆に肝機能の衰えが緩やかになれば、健康で長生きすることも可能です。
実は筋肉を増やすことで、肝機能を助ける事が出来るのです。
肝臓と長く付き合うには、体の筋肉が深く関わっています。
なぜなら、筋肉は体内で糖を最も多く貯蔵できる器官だからです。
(肝臓は第2位です)
糖を貯蔵できる量が多いほど、糖が脂肪に変わりにくいと言えます。
体内へ入って来た糖は、細胞でエネルギー産生に使われます。
そして余った糖は肝臓や筋肉でグリコーゲンに作り変えられて、
それぞれに蓄えられます。
筋肉と肝臓に貯蔵されるグリコーゲンが一杯になると、
余った糖は中性脂肪に変換されて皮下脂肪、内臓脂肪、肝臓脂肪として蓄積されます。
脂肪は1gあたりのエネルギーが糖の2倍もあります。
つまり、糖よりも効率よく貯めておくことが出来るのです。
このような構造になっているため、
飢えなどでエネルギー補給が出来ない時があっても生きていけます。
体は、もともと飢えに強く出来ているのです。
肥満の人は肝臓のグリコーゲンが満タンで、筋肉量が少ないため
糖を貯蔵できず、脂肪に変わってしまいます。
こうして体に余分な脂肪が蓄積されていきます。
●太っていないのに脂肪肝!?
また、太っていないしお酒も飲まないのに脂肪肝と診断される人もいます。
この傾向は、日本やアジア諸国に多く見られます。
瘦せていて脂肪肝の人の特徴は
体重は正常範囲内にも関わらず、内臓脂肪型肥満が多く、
腕や太ももの筋肉量が少ない点にあります。
さらに下肢の筋肉量低下と、筋肉の脂肪化が認められました。
だから過食していない割には脂肪がつきやすいですが、
見た目では分かりにくいので、発見が遅れることもあるかもしれません。
筋肉量が少ないと、糖を貯蔵する容量が少ないため
脂肪に変わりやすいのです。
また、遺伝で脂肪肝になりやすい人もいますが。
食事を改善して、筋トレで筋肉を増やすことで対策できます。
食事面では、体重を減らすことよりも脂肪量を減らす事が大切です。
●たんぱく質摂取と食欲の関係
筋肉量を増やすと糖の貯蔵量が増えて、肝臓機能を助けます。
筋肉を増やすにはたんぱく質をちゃんと摂取することも欠かせません。
自然で生きるどうぶつ達は、営養知識など無いのに
食べ過ぎで肥満になる事は無く、体重や筋肉も適切に維持されています。
それはなぜでしょうか?
シドニー大学の生命環境科学部の教授Dローベンハイマーと、
S・J・シンプソンは30年以上に渡り研究を続け、その謎を解明しました。
長年の研究の結果、導き出した結論は
「たんぱく質が十分に摂取されると、自動的に食欲が収まる」というものでした。
この法則はバッタ、粘菌、ショウジョウバエ、マウス、猿にも
当てはまると証明されたのです。
この研究により、人間ではたんぱく質の比率が食事量の15%を維持する時に
食欲が止まり、体重が維持される事も分かりました。
さらにたんぱく質が10%の食事をすると
摂取エネルギーが増え、体重も増加しました。
これは、たんぱく質の摂取量が足りないと、
食事の際にたんぱく質の欲求が満たされるまで
炭水化物や脂肪を過剰に摂取してしまう事を意味しています。
これは、まさに現代人の食事そのものです。
加工食品や菓子類など偏った食事をすると
良質なたんぱく質が不足する一方で、食べ過ぎになる傾向があります。
焼肉やステーキを白米で食べるような食事が味覚を狂わせ、
人間に必要なたんぱく質が不足してしまいます。
飽食の現代において、肥満の予防や改善は急務の課題です。
過剰な食欲を抑えるには、良質なたんぱく質を適量摂る事が欠かせません。
体に必要なたんぱく質も摂り過ぎはいけません。
摂取エネルギー全体量の15~20%が
たんぱく質の適切な摂取量とされています。
たんぱく質摂取量に換算すると、大人で1日当たり60~90gが適量です。
食材別のたんぱく質の含有量(目安)を以下に記しました。
重量の記載が無いものは100g中の含有量になります。
<大豆製品>
納豆 1パック(40g)中に6.6g
木綿豆腐 2分の1丁(150g)中に10.5g
豆乳 100ml中3.6g
高野豆腐 17g中に8.6g
<魚類>
まぐろ 29.0g
かつお 25.8g
ぶり 25.2g
鮭 20.1g
しらす干し 20g中に4.9g
うるめいわし丸干し 50g中に22.5g
<野菜>
枝豆 11.6g
そら豆 10.6g
ブロッコリー 10.0g
モロヘイヤ(生) 4.8g
<穀類>
玄米 160g中に4.2g
そば 4.8g
玄米を雑穀と一緒に炊くと、さらにたんぱく質の摂取量が増えます。
ミネラルやビタミンも摂れて、さらに営養価が高い主食となります。
●肥満や脂肪肝の人の食事
肥満の人や脂肪肝の患者は、共通して野菜が不足していて、
推奨されている量の半分程度と言われています。
だいたい肉など動物性食品や脂肪を過剰に食べるので、
野菜を食べる量は必然的に少なくなります。
味覚が狂ってしまったため、野菜を好まなくなるという要因もあるでしょう。
(素材の味が分からない舌になった)
戦後に日本人の食事が欧米化して、病氣が激増しましたが、
欧米化の裏を返せば、食物繊維の摂取量が激減したところにも問題があります。
食物繊維は糖の急激な吸収を抑え、高血糖を防ぎます。
高血糖になるとインスリンが過剰に分泌され、糖から中性脂肪への変換を
促進してしまいます。
血糖値が急な上昇と下降を繰り返すと
体がだるく無氣力になったり、イライラしたりと心身が不安定になります。
野菜は旬のものを中心に摂り、主食は玄米を食べましょう。
肝臓は縁の下の力持ちです。
体に有害物質の解毒機能が無ければ、生きていけません。
いくら営養価が高いものを食べても、
体に合うよう適切な形に作り直さなければ、吸収したことになりません。
しかし意外な形で、しかも簡単な方法で肝臓の働きを守り、
機能低下や病氣を予防する事が出来ます。
玄米菜食を続け、適度な運動も欠かさないようにしましょう。
山本和佳