・カロリー制限の落とし穴
・営養素と肥満の関係
・食べ過ぎの害
肥満は世界中で問題になっている贅沢病の1つですが、
日本では成人の男性の3割強、女性では2割強が肥満と言われています。
病氣のドミノ倒しのきっかけともなる肥満。
年齢とともに代謝が下がりますので、若い時と同じ食べ方をしていて
氣づいたら肥満になっている人も少なくありません。
肥満ではない人の中にも、体重の維持を氣にしたことがある人は
多いのではないでしょうか。
●カロリー制限の問題
ダイエットしたい人は、何よりカロリーを氣にしている場合がほとんどです。
減量と言えばカロリー制限が一般常識のように思われていますが、
実際はどうなのでしょうか。
1988年にアメリカのスタンフォード大学の研究チームが
155人の男性の食事や体重に関する調査を行いました。
その結果、脂肪の摂取量と体重・体脂肪率に相関関係が認められました。
脂肪をたくさん摂る人ほど脂肪で太ることが分かったのです。
しかし、カロリー摂取量と体重・体脂肪率とは因果関係がありませんでした。
さらに、1998年にハーバード大学の研究チームも同じ内容の発表をしています。
でも、なぜ脂肪の摂取量が増えると体重も増加するのでしょうか。
脂質を摂り過ぎると、脂肪として蓄えられやすいのに対して
タンパク質や炭水化物は、脂質と比べて消化に多くのエネルギーを使います。
つまり同じカロリーを摂っても、脂質の方が体に溜まりやすく太りやすいのです。
もちろんカロリーをたくさん摂ってもいいという訳ではなく、
体の吸収率を考慮しないで、やみくもにカロリーを抑えても
思うように減量出来ない場合があるのです。
そして、タンパク質や炭水化物も食べ過ぎは体に良くありません。
●食べ過ぎの弊害
食べ物に含まれる営養素は大きく9つに分かれます。
炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、
水、フィトケミカル、酵素をまとめて9大営養素と呼ばれています。
ビタミンやミネラルは小さいため体に吸収される時に
それほど負担はかかりませんが、それに比べると
炭水化物、タンパク質、脂質の3大営養素は消化にエネルギーを多く必要とします。
炭水化物からブドウ糖へ、タンパク質はアミノ酸へ、脂質は脂肪酸へという具合に
最小単位まで分解されなければ、それぞれ体に取り込まれません。
体に必要な3大営養素も摂りすぎると消化不良を起こし、様々な症状が出てきます。
食べたもの全てを消化しきれず、
未消化のものが腸内で腐敗して悪玉菌を増やしてしまいます。
<炭水化物が消化不良を起こすと…>
酸化して腸内で異常発酵が起きる。
ガスが溜まり、膨張感が増えてブドウ糖からエネルギーへの変換がスムーズに行われず、
高血糖や認知症など脳への異常も出てくる。
<タンパク質が消化不良を起こすと…>
腸内で酸敗を起こす。腎臓や肝臓に大きな負担をかけて、血液ドロドロ、
免疫力の低下、腰痛、骨粗しょう症のリスクが高くなる。
<脂質が消化不良を起こすと…>
腸内で酸敗(脂肪が酸化して腐敗する)が起きる。
脂溶性ビタミン(A、D、E、K)が不足する。
様々なホルモンの生産に関わっているコレステロールが悪玉化して、
ホルモン生産が上手くいかなくなり、免疫力が低下し、
脂質異常症を引き起こすこともある。
以上のように、体に必要な営養素であっても食べ過ぎると体に良くないと分かります。
人間が生まれつき持っている潜在酵素の量は、個人差があります。
これはお腹の中にいた時のお母さんの食事が影響していて、
食事から酵素をたくさん摂っていると生まれてくる子どもの潜在酵素が多いです。
暴飲暴食していても、体調不良や疲れがあまり目立って表れず、
パワフルに行動する人がごくたまにいますが、
お母さんが妊娠中に生野菜など酵素の多い食事をしていた可能性が高いです。
しかし、体質にあぐらをかいて暴飲暴食をして良い訳ではありません。
たくさんの酵素が消化に使われる分、代謝の方が疎かになってしまいます。
いくら多くても潜在酵素には限りがありますので、無駄遣いしていると
いつかは底を尽きてしまいます。
お酒がとても強い人が浴びる程飲み続けた結果、体を壊してしまうのが
分かりやすい例です。
どんなに恵まれた体質に生まれても、不摂生をしていると健康から遠ざかりますので
食事や生活習慣を早いうちに改善することが重要です。
逆に生まれつき潜在酵素が少ないからといって、短命という訳ではありません。
食べ物から酵素をしっかり摂って、潜在酵素を無駄遣いしなければ、
健康で長生きすることも可能です。
食べ過ぎを止めると酵素の無駄遣いも減り、その分を代謝へ回すことが出来ます。
酵素研究の専門家が行った実験によれば、寿命は食べる量と関係があると述べています。
ミジンコ、ハエ、ねずみなどの虫やどうぶつ、魚などを対象に餌の量と寿命を調べた結果、
餌の量を無制限に与えた場合と腹6分に制限した場合では
後者の方が寿命が2倍も長かったという結果が出ました。
食べ過ぎると寿命を縮めてしまうのは人間も同じです。
人間の胃は、大きく2つのプロセスに分かれて消化が行われます。
1段階目は、食道から胃へ食べ物が入る部分です。
ここでは消化酵素は分泌されませんので、食べ物が持つ酵素によって事前に消化されます。
さらにその先の2段階目に進むと、初めて消化酵素が分泌されます。
もともと体には消化酵素を出来るだけ温存して
食物酵素を優先的に使おうとするシステムが備わっています。
ですから、酵素を有効に使って健康を維持する優れたシステムに
食生活を合わせていかなくてはなりません。
大食いしない、食べものから酵素を摂る、
加工食品のように酵素が全く無いものは極力食べない。
繰り返しになりますが、大変重要な事です。
人間には生まれた時から潜在的に持っている酵素がありますが、
使う程減っていきます。
酵素は体内で毎日作り出されていますが、
1日に作られる酵素の量が決まっていて、しかも夜眠っている時に作られます。
規則正しい生活と良質な睡眠は酵素を効率的に作り出し、無駄遣いも抑えます。
また、風邪や体調不良などで食欲が落ちた時は無理して食べる必要はありません。
食欲が無くなるのは、消化酵素を代謝へ回して免疫力を上げて
体を回復させようとするためです。
ただ、そのような時も水分はこまめに補給してください。
そして回復状態に合わせてりんごや大根のすりおろし、
お粥などで食べる量を調整しましょう。
食欲が無いのに無理して食べるというのも、胃腸の処理能力以上に食べてしまう。
つまり過食なので、腸内に残った未消化物が悪玉菌の餌となって
腸内環境を悪くしてしまうのです。
体の中で起きている事を想像して、先回りして病氣の予防に役立てる事が重要です。
体調不良が氣をつけるきっかけになる事もあるかもしれませんが、
症状が出た時にはもう遅い場合もあることを忘れないでください。
お酒の強い人が、どれだけでも飲んでいたら肝臓を壊すように
度を超えた飲み方、食べ方は体を破壊してしまいます。
生活習慣予防のために適正な体重を維持したり、肥満を改善する対策は
とても良い事ですので、酵素の観点も押さえながら
実践していただきたいと思います。
山本和佳