・微量でも絶対に必要な理由
・老化と金属
わたし達の体は様々な成分で構成されています。
ご飯を食べた後、分解・吸収された営養素は
活動のために必要な場所に働きます。
普段意識する事は無いかもしれませんが、体内には僅かですが金属が存在していて、
生命活動において大変重要な働きをしています。
●体の中にある金属
海水と人間の体液は組成がとても良く似ています。
生命が海で誕生して、まず鉄を利用して進化し、さらに鉄以外の金属も利用しながら
陸上へ上がって行ったと言われています。
生命の進化にも金属は深く関係していたのです。
生体金属(体に有用な働きをする金属)とタンパク質が結びつくと
活性するという特徴があります。
体内の金属元素は、タンパク質や酵素の中にも存在しています。
それざれが特有の生体反応、物質の運搬、生体信号の伝達、酸化還元など
生命の本質的な働きに寄与しています。
生体金属は特にタンパク質と結合すると、生理作用が何倍も活発になります。
例えば、セレンを含むグルタチオンペルオキシダーゼと呼ばれる酵素は
同じ濃度のセレンイオンの20倍も触媒活性します。
銅と亜鉛を含むSODや、ヘム鉄を含むカタラーゼなどの酵素は
銅や鉄イオン単独で作用する時と比べて、
それぞれ2000倍や100億倍もの高い触媒活性を表します。
ちなみに重金属とは比重が4~5g/㎤ 以上の密度の大きい金属の総称です。
重金属の中には必須ミネラルもありますが、多くは毒性が強く、
過剰に摂取すると病氣のリスクも上がります。
生体金属を含め、体が機能するために欠かせない必須元素を
一部ごご紹介いたします。
【必須元素と主な生理作用】
Ca(カルシウム)
リンと共に骨の中にヒドロキシアパタイトとして存在する。
細胞内の情報伝達シグナル分子として作用。アポトーシス、筋肉の収縮、
血小板の凝集、ホルモンや消化酵素の分泌、グリコーゲンの代謝やタンパク質の分解、
遺伝子の転写調節に関与。
P(リン)
カルシウムと結合して骨、歯などの組織を形成。
リン酸化を必要とするエネルギー代謝に必須。
S(硫黄)
大部分は「含硫アミノ酸」としてたんぱく質の中に存在する。
K(カリウム)
細胞の成長と分裂、酵素の活性、酸塩基平衡、体温調節、神経および筋肉の収縮に関与。
Na(ナトリウム)
細胞外液の浸透圧の維持、
神経の刺激、水分の代謝、体液の酸塩基平衡に関与。
腎臓で物質の再吸収に関与(胆汁酸?)
CL(塩素)
細胞外液の陰イオンの70%を占める。
消化液中に存在し、HCLとしてタンパク質の分解酵素ペプシノーゲンを活性する。
小腸ではビタミン類の吸収を促進する効果もある。
細胞内CLはコラーゲンと結合している。
Mg(マグネシウム)
Caと共にPやCO2-と結合して59%は骨に、40%は筋肉や軟組織に、約1 %は組織外体液に存在。
約300種類の酵素の補酵素として働く。
神経伝達や体液の平衡維持にも関与。
Fe(鉄)
体内にある鉄の70%が血中に存在しており、赤血球のヘモグロビンの成分として
呼吸で取り込んだ酸素の運搬をしている。
筋肉中ではミオグロビンの成分となって、酸素を貯蔵する。
残り約30%の鉄は貯蔵用として膵臓、肝臓、骨髄などに蓄えられ、
必要な時に使われます。
F(フッ素)
骨や歯牙など硬い組織に存在している。
酵素、ビタミン、ホルモンなどの構成成分、または活性化成分として作用。
Si(ケイ素)
カルシウムと共に硬い組織を形成するために重要な元素。
骨形成の初期には、コラーゲンやグリコサミノグリカンなどと
シリカの複合体が形成される。
シリカが欠乏すると骨に奇形が生じる。
Zn(亜鉛)
骨と筋肉に多く含まれ、約200種類の酵素の構造成分や補酵素として働く。
Mn(マンガン)
活性酸素を分解するSODや、糖質や脂質の代謝のために働く酵素の構成成分となる。
血液の生成、骨や神経の強化にも貢献する。
Cu(銅)
多数の酵素活性に関わる。
乳児の成長、組織の防御機構、骨の強度、赤血球や白血球の形成、
鉄の運搬、コレステロールや糖の代謝、心筋の収縮、脳の発育に関与。
Se(セレン)
過酸化水素など過酸化物を還元する酵素を活性し、SODと共に
重要な抗酸化作用がある。
I(ヨウ素)
甲状腺ホルモンの構成成分。不足すると甲状腺機能に異常を引き起こす。
Mo(モリブデン)
代謝に関わる様々な酵素の補酵素の構成成分となり、代謝に欠かせない。
欠乏すると貧血、疲労、尿酸の代謝障害、不妊などの他にも
神経過敏などの神経症状が表れる。
Ni(ニッケル)
RNAの安定化、鉄の吸収促進、酵素の活性化、ホルモン作用、グリコーゲン代謝などの
働きに関与。
Cr(クロム)
必須ミネラルの1種。ごく微量に存在していますが、糖質、脂質、たんぱく質などの
代謝に関わり、特にインスリンの働きを強めて糖の正常な代謝を維持しています。
Co(コバルト)
ビタミンB12の構成成分。
わたし達は普段、どの元素を何グラム摂ろうなどと考えることはありませんが、
体の中では均衡が保たれています。
食べたものを消化器官で分解・吸収されたり、
体内で元素転換が行われたりして元素が構成されています。
体の機能を維持するためには、添加物や化学物質を撮らないことも大変重要です。
●老化と金属
実は老化と共に体内の金属も変化します。
年齢別に人間の眼の水晶体の中にどの程度の金属が含まれているか測定した調査によると、
体に大切な鉄、亜鉛やマグネシウムは年を取るにつれて減少し、
一方でコバルト、ニッケル、セレンなどの金属は年齢と共に
増えるという結果が出たということです。
人間は遅かれ早かれ老化して、最後は死に至ります。
それは生命にプログラムされていて、
アポトーシス(細胞の自死)を引き起こす過程に金属が関わっているとも言われています。
鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンは
体内にごく僅かであることから微量元素と呼ばれています。
ごく微量でも無くては生きられない、縁の下の力持ちのような存在です。
寝ている時も関係なく365日24時間、絶えず元素レベルで活動が行われています。
どのように調整されているかは人間が知る由もなく、直接操作出来るものではありません。
血液をきれいに保つ。
酵素を無駄遣いしない。
食べ過ぎない、など。
これらの普遍的なルールを守ることが大切です。
ミクロの世界と毎日の食事は繋がっていますので、
わたし達はそこへ合わせるように毎日食事をする必要があります。
玄米菜食は腸内細菌が喜び、血液の汚れを防ぐ理想的な食事です。
直接見えないからこそ想像を膨らませながら、
毎日の食事や生活リズムが自然の摂理に近づくよう工夫しましょう。
山本 和佳