・タンパク質の主な働き
・実は○○○○○○もタンパク質
・進化の過程で身につけた能力
タンパク質は体の主要成分として重要な役割を担っています。
その量は体重の約20%を占めていて、水分に次いで多いです。
また、食事から摂取するタンパク質は三大営養素の1つとされており、
食べた後は消化酵素によってアミノ酸に分解され、体に合うタンパク質が合成されます。
●タンパク質の働き
タンパク質は体内で様々な役割を担っています。
その一部を以下にご紹介します。
<体を構成する>
タンパク質の中には体の構造を支えるコラーゲン、エラスチン、カドヘリン、
αケラチン、アクチンなどのタンパク質があります。
コラーゲンは皮膚の真皮、骨、歯、腱などになる大切な成分です。
コラーゲンは体の中で最も多いタンパク質で、
体を構成するタンパク質の約30%を占めていると言われています。
そのうち40%が皮膚、20%は骨に存在しています。
エラスチンは人体や肺、大動脈などの構造を作るために重要なタンパク質です。
強い弾性があり、皮膚のコラーゲン繊維を支える役割もあります。
カドヘリンは膜結合型糖タンパク質で
カドヘリン同士が相互に作用して、細胞を結着させます。
αケラチンは毛髪や皮膚、爪のタンパク質を構成します。
アクチンは、動植物からカビなど菌類まで全ての真核細胞に含まれます。
細胞の形態や細胞膜構造の維持、細胞内輸送、細胞質の分裂など
様々な働きに関係しています。
<化学反応を触媒する>
触媒とは、自らは変化せずに化学反応を速める物質を指します。
体内の活動でも無数の触媒作用が繰り返されています。
例えば玄米を食べると、口に入った瞬間から分解が始まります。
でんぷんは多数のグルコースが鎖状に連なった多糖です。
食物中のでんぷんは唾液に含まれるアミラーゼの作用によって加水分解反応が起こり、
マルトースやグルコースに分解されます。
このアミラーゼのように体内の化学反応を助ける分子が酵素です。
酵素は体内に4000種類以上あると言われており、様々な化学反応に関わっています。
たいていの酵素はタンパク質から成っています。
<細胞の増殖、分化、恒常性>
人間の体を構成している細胞も、タンパク質抜きには存在しません。
細胞の増殖、分化、恒常性の維持に関わるタンパク質は、神経ペプチド、
ホルモン、成長因子などがあります。
①神経ペプチド
神経ペプチドは神経細胞で合成され、神経情報の伝達に関わっています。
以下は神経ペプチドの一部です。
・血管作用性小腸ペプチド
28のアミノ酸から成る。血管平滑筋を拡張させて、血圧を下げる。
氣管平滑筋を弛緩させ、氣管を広げて吸収しやすくする。
・ニューロペプチドY
36のアミノ酸から成る。食欲促進作用、血管収縮効果を増大する。
②ホルモン
ホルモンは内分泌細胞で分泌され、血液に乗って目的の細胞まで運ばれます。
ホルモンは50種類以上あり、その多くはタンパク質で出来ています。
<物質の輸送>
体内には血液に乗って物質を運ぶタンパク質もあります。
トランスフェリンというタンパク質は血漿中にあり、鉄の運搬に関わっています。
同じく血漿中にあるレチノール結合タンパク質は、ビタミンAを運搬しています。
ヘモグロビンは赤血球の中に存在する赤色色素タンパク質で
肺で酸素とくっつき、必要な組織へ運ばれます。
その他にも様々なタンパク質が営養物質などの輸送に関わっています。
<筋肉の収縮>
筋肉には筋繊維と呼ばれる細長い細胞があり、
その中に収縮性のある繊維タンパク質(ミオシン、アクチン)があります。
筋肉の収縮にはエネルギーが必要です。
ミオシンはアクチンと相互作用して、細胞で作られるATPエネルギーを加水分解して
筋収縮エネルギーに変換しています。
<外界から生体を守る>
タンパク質には免疫の働きをするものもあります。
免疫グロブリンは、内に異物が入って来た時に排除する抗体の機能を持つタンパク質です。
血液や体液中に存在し、病原体を攻撃して体を守ってくれています。
●タンパク質はアミノ酸から成る
地球上には500種類以上のアミノ酸があり、
人間の体内には約100種類のアミノ酸が存在しています。
その中で人間の体のタンパク質を作るアミノ酸はわずか20種類です。
さらにその内9種類のアミノ酸は体内で合成できないため、必須アミノ酸と呼ばれています。
人間は必須アミノ酸を合成する酵素を持っていないため
食べるものから摂る必要があります。
必須アミノ酸の合成は、かなり手間ひまがかかる反応を経て行われるため、
他の生物が合成したものを摂取した方が早いということになります。
合成するためには材料(化合物)、道具(酵素と補酵素)、エネルギーが必要です。
必須アミノ酸を代謝するコストが高いので、食べて補うことで
効率良くエネルギーを作ります。
これも生命の進化の中で身につけた能力です。
では何から必須アミノ酸を摂るかというと主に植物、そして魚介類です。
人間が食べる植物は玄米を含む穀類、大豆製品、野菜などの
植物が全ての必須アミノ酸を作ってくれています。
ちなみに体内には結合していない状態で細胞や血液中などに
蓄えられているアミノ酸があります。(遊離アミノ酸)
遊離アミノ酸は神経伝達物質やホルモンなどの材料になることもあり、
生命を維持するためにとても重要な役割があります。
また、母乳にもタンパク質と共に遊離アミノ酸が含まれています。
体の活動は、自らの意思で動かすことよりも
意識と関係なく働いているところの方がはるかに多いです。
体の中ではタンパク質が合成されたり分解されたりと、
日々入れ替わりながら活動を続けています。
そのタンパク質を作るアミノ酸は良質なもので、
体内の酵素で分解出来る食物から摂らなければなりません。
玄米菜食は良質なアミノ酸を豊富に摂ることが出来ます。
そして摂るべきではない加工食品、食品添加物の量をかなり減らせます。
代謝が悪くなると、ミクロの世界の活動が阻害されます。
目に見えないですが、自分の体の中で確実に起きていることに向き合って
食べるものを選択して、細胞の働きに配慮してほしいと思います。
山本和佳