・交感神経が過剰になると出る症状
・自律神経を整える
自律神経は体の恒常性維持機能に深く関わっています。
わたし達の意志とは関係なく、心臓や呼吸器、消化器を働かせて
状況に応じて機能を調整している神経です。
生命活動を常に支えてくれている自律神経ですが、
一旦バランスが崩れると、全身に様々な症状を引き起こします。
現代人はこの自律神経のバランスを崩しやすく、
それが様々な不調に繋がっています。
交感神経と副交感神経がシーソーのように交互に優位に働きながら
バランスをとっています。
健康な人なら昼間は交感神経が活発に働き、
夕方には副交感神経が優位に交代して夜は眠くなります。
日中に活動して、夜には眠くなるのは自律神経の調整機能によるものです。
しかし、現代人の多くは自律神経が不安定で、
そのほとんどは交感神経が過剰になることで様々な症状が現れます。
今回は、その辺りを深堀りしてお話しいたします。
●現代人が陥りやすい自律神経の乱れ
緊張や不安を強く感じると、交感神経が活発になります。
これは生命として戦うか逃げるかの反応です。
遠い昔の祖先は敵に遭遇した時、自分の命を守るために相手と戦うか
それとも逃げるか咄嗟に判断しなくてはなりませんでした。
アドレナリンが一氣に出て、血流や神経の興奮が高まります。
しかし、現代のストレスは大昔の瞬間的な緊張とは違って、
デジタル機器、人間関係など長期間続くタイプのストレスが多く、
それが心身に大きな負担となっています。
無意識に浅い呼吸になり、手足の神経がヒリヒリしたり、
力が抜けるような感覚が表れることもあります。
このような時、体の中では緊急信号を出して、
体の戦闘・防衛反応を起こします。
・交感神経が一氣に活性化して、血管が収縮する。
→ 手足がヒリヒリ、力が抜けるような感覚になる。
・体温調節機能が乱れて、一時的に体が火照る。
・血糖値や血圧が上がり、頭に血が上ってボーっとする。
・全身のだるさ
ストレスを受けると、体に何かしら変化が起きるのは
誰もが経験されている事と思います。
ただ、なぜ不調が出てくるのか対処方法も分からないまま放置したり、
薬を服用して対処しようとする人が多いのが実情です。
つまり原因に対してアプローチ出来ていない問題があります。
交感神経ばかりが活性すると、体に緊張が走ります。
過呼吸は、特に女性に多い症状です。
強い不安や緊張から激しい呼吸を繰り返すことで、血液がアルカリに傾きます。
息苦しさや動悸、手足のしびれ、過呼吸そのものは呼吸器症状ですが、
精神的な要因によるケースが多い。
また、喉のつかえ感も不安や緊張を感じた時に出やすい症状です。
何も飲み込んでいないのに、何かが詰まったような感覚が生じます。
漢方では氣(エネルギー)のうっ滞が原因で起きるとされています。
そんな時は、セロリをたっぷり使ったスープが効果的です。
セロリの芳香成分には精神を穏やかにして、氣持ちを落ち着かせる効果がありますので、自律神経を整えたい時にもお勧めです。
●体内への影響
過呼吸が体にどのような影響を及ぼすのか、もう少し詳しく見ていきます。
血中の二酸化炭素濃度が高いほど赤血球から酸素が切り離され、
より多くの酸素が細胞へ送り込まれます。
この現象を「ボーア効果」といいます。
体内で酸素が減れば、細胞へ酸素が十分に行き渡らなくなります。
実は二酸化炭素不足の一番の原因が過呼吸なのです。
大氣中の二酸化炭素濃度は約004%、呼氣中の濃度は約5%です。
つまり1回呼吸をすると、呼氣の125倍の二酸化炭素が体の外へ出ていくため、
呼吸の回数が増えるほど血中から二酸化炭素が減り、
細胞の代謝効率も下がってしまいます。
慢性疲労になる現代人が多いのは、ストレスの他にもアレルギーや
デジタル機器の使用により姿勢が悪くなって口呼吸が増えたことも
関係しています。
脳の呼吸中枢が、二酸化炭素に過敏に反応するようになって
二酸化炭素への耐性が下がり、ますます過呼吸になる悪循環を作ってしまいます。
せっかく体内に取り込んでも細胞の代謝に使われず、余った酸素の一部は
血中にとどまっている間に活性酸素に変化して、細胞を傷つけてしまいます。
長く続くストレスは、自律神経も傷つけてしまいます。
また、口呼吸をしている人は鼻呼吸に改善しましょう。
鼻呼吸にすると自然とゆったりした呼吸になります。
先にお話しした交感神経の高ぶりで過呼吸になった時は、
深呼吸をすると氣持ちが落ち着き、細胞へ酸素が行き渡りやすくなります。
●自律神経を強くする
自律神経は全身の器官をコントロールしているため、
バランスを崩すと心身に様々な症状が表れます。
その症状は多岐に渡り、自律神経の乱れが原因とは
氣づかない場合も多いです。
自律神経を乱してしまう原因は大きく分けて
「不規則な生活」「運動不足」「冷えを招く生活」です。
体の冷えは自律神経失調症の症状の1つですが、逆に冷えによって
自律神経失調症が悪化してしまいます。
冷えは血管を収縮させて血流を滞らせるため、
冷えそのものが体に負担をかけます。
他にも日常の何氣ない動作が自律神経を乱しているかもしれません。
テレビを見る時などにうつ伏せで寝転ぶ習慣がある人は要注意です。
胃と食道が水平になるため、胸やけを招いて
それが自律神経の乱れに繋がります。
また、食べてすぐに寝る習慣も自律神経を乱してしまうため
自律神経を整えるためには
「規則正しい生活」「適度な運動の継続」「体を冷やさない習慣」
が大切です。
歩くなど有酸素運動はリズムのある動きをするため、
自律神経を整える効果がとても高いです。
体の冷えは運動不足によるものもあれば、
食事の乱れによっても起こります。
肉食、白砂糖は食べると体を冷やす代表のものです。
世の中のほとんどの人が普通に食べてしまっているため、
便秘になる人が実に多いです。
食生活が乱れている人に便秘が多いですが、
便秘も体の冷えが招いた不調です。
外部の環境が変化したり、刺激を感じる時など
自律神経は何らかの影響を必ず受けます。
それに対してどのように対応するか。
または普段から備えておくことも重要です。
わたし達の日々の活動を陰ながら支えてくれている
自律神経を大切にしましょう。
山本和佳