一般無料「いびきのリスク」健康基礎講座

・いびきの原因は身近なことから

・放置すると病を引き起こす

・意外なところにもいびきのリスクが

不眠大国と言われる現代の日本。

眠りを妨げているのはスマホやパソコンの使用、運動不足、夜遅くの食事、
ストレスなど様々ありますが、いびきもその1つです。

日本のいびき人口は2000万人以上と言われています。

特に加齢とともに増加し、中高年男性の5割はいびきをかくと言われています。

太っている男性に多いと思われていますが、痩せている人も
女性にもいびきは起こります。

初期の頃は自覚が無いため、家族に指摘されて初めて氣づく人も多いです。

いびきとは、寝ている間に舌や喉の奥の筋肉が緩んで氣道が狭くなり、
呼吸をする度に粘膜が震えて発せられる音を指します。

仰向けに寝ると舌や喉の奥の筋肉が垂れ下がり、氣道が狭くなるため
空氣が多少通りづらくなります。

そして、次のような理由でさらに氣道が狭くなると、いびきが出てしまいます。

いびきをかくと呼吸が乱れて、睡眠による疲労回復やアンチエイジングなどの
効果が得られなくなります。

 

●いびきの原因

眠りを妨げるいびきが生じる原因は主に次の通りです。

①舌が下がる
舌が落ちている。普段から口呼吸になっている。

②骨格
扁桃腺が大きい。

③喉の形状
あごが小さい。首が太くて短い。

④肥満
首の周りに脂肪がついている。

骨格と喉の形は遺伝や発育の段階でほぼ決まるため、思い当たる人は
いびきをしていないか家族に確認することをお勧めします。

特に日本人は顔が平たくて鼻が低い。頭部の奥行きが少ないというように
いびきをしやすい骨格をしています。

また、加齢による衰えで問題になって来るのが舌の垂れ下がりです。

食事の際に咀嚼回数を多くしたり、話す機会を増やしたりと
普段から舌を使っていないと舌の力は徐々に衰えていきます。

加齢に伴い、いびきをかく人が増えていきますが
その背景には舌の筋力の低下があります。

そして、年齢と共に体脂肪がつきやすくなります。

わたし達が1日に消費するエネルギーの約60%は基礎代謝、呼吸、
消化吸収、血液循環、体温維持のような生命活動を維持するために
必要な機能に消費されています。

そのうち20%は筋肉に使われています。

つまり筋肉が減ると、基礎代謝も消費エネルギーも低下し、
その分使われないエネルギーが余るため、脂肪がつきやすくなります。

肥満の人がいびきをかくのは、首の周りに脂肪がついて氣道が狭くなるためです。

病氣の元になる肥満は、様々な面で体を不自由にしてしまいます。

 

●タバコはいびきのリスクも高める

「百害あって一利なし」のタバコはいびきも悪化させてしまいます。

喫煙者がいびきになる確率は、非喫煙者の2倍にもなります。

タバコの煙により鼻の中や喉の粘膜が炎症を起こして、
氣道が狭くなるためと考えられています。

タバコの害はこれだけに留まらず、全身に広がります。

それにアルコールによるいびきの影響もあります。

お酒を飲んだ日にはいびきをかく人もいます。

その理由は舌を動かす舌下神経の働きが鈍り、舌が緩みやすくなるためです。

いびきが氣になる人は、飲む量や回数を控えて様子を見てください。

さらにアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻づまりを伴う病氣の人の中には
起きている時に口呼吸の人がいますが、寝ている時はほとんど口呼吸になっています。

すると舌が落ちるため、いびきを引き起こします。

 

●命を削る睡眠時無呼吸症候群

いびきが酷くなると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に進行するリスクが高くなります。

健康な人も寝ている時は、起きている時と比べて
呼吸が弱くなり、体内に入る酸素の量も減少します。

しかし、氣道が狭くなるといびきをかくようになり、
それが悪化するとさらに氣道は狭まり、睡眠時に息が止まりかけたり、
完全に止まるなど不規則な呼吸を繰り返し、
体内に必要な酸素を取り込めない危険な状態に陥ります。

SASの患者さんは呼吸が苦しくて脳が十分に眠れず、
交感神経が活性してしまいます。

交感神経の活性により血管が縮まるため、血圧が上昇します。

SASによる高血圧の発症リスクは、そうでない人と比べて
1.4~2.9倍ともいわれています。

高血圧になると血管の内皮細胞の炎症を起こして、動脈硬化になりやすいです。

それが進行すると心臓病や脳卒中など血管の重篤な病氣を招きますので、
いびきは病氣の入り口とも言えます。

睡眠中に氣道が塞がって度々息が止まると、常に寝不足状態に陥ります。

昼間に眠ってしまうのもSAS患者によく見られる症状ですが、
これは社会的に大問題になっています。

2003年のJR山陽新幹線の居眠り運転事故は、
運転手のSAS症状が背景にあったとされています。

その他にもSASが影響した交通事故も起きています。

SAS患者が運転中に眠氣を感じる割合は、そうでない人と比べて約4倍に、
居眠り運転は5倍も多くなります。

SASは病氣の面からも事故の面からも死亡リスクが高く、
周りを巻き込む危険性もあるため、取り返しのつかない事に
ならないよう予防しましょう。

 

口を閉じている時の舌の正しいポジションは
舌全体が上あごにぺったりとついている状態です。

この状態を起きている時に保ち、睡眠中も舌が落ちないようにする。

いびきやSASのリスクを抑えることが大事なのですが、
そのためには姿勢を正すことも欠かせません。

舌の筋肉はインナーマッスルの1つで、全身の筋肉と筋膜を通して連動しています。

そのため、姿勢が崩れると舌のポジションも崩れてしまうのです。

舌が正しいポジションにある時、自然と顎を引いた姿勢になります。

ところが、猫背のように首を前に突き出すと
どうしても舌の位置が下がってしまいます。

氣道も狭くなるため呼吸がしづらく、歯の噛み合わせもズレてしまいます。

姿勢を整えると見た目が良くなりますし、深い呼吸ができるため
いびきが減り、SASの予防にもなります。

たかがいびきと侮ってはいけません。

口呼吸、肥満、姿勢、アルコール、タバコなど
習慣の乱れが影響しますので、重篤な病氣にならないよう
早くから生活習慣の見直しが大切です。

 

山本和佳