一般無料「脳の老化と成長」健康基礎講座

・役割を全うしながら協力している

・感情や欲望の暴走

・脳は一生成長する

●人間の脳のしくみ

人間の脳は部位ごとに役割が分かれていて、
お互いに連携しながら休むことなく活動しています。

脳の機能は大きく以下の3つに分かれます。

<脳幹> 第一層・生命の中枢

脳の最も内部(奥)にある脳幹は生命の中枢とも言える場所です。

ここに睡眠・覚醒、心臓の拍動、呼吸、自律神経など生命を維持するために
欠かせない機能の中枢があります。

 

<大脳辺縁系> 第2総・感情と欲望の中枢

脳幹を覆うようにして外側にあるのが大脳辺縁系、感情や欲望の中枢です。

ここは物事に対する意欲や喜怒哀楽といった感情を生み出し、
それがわたし達の生きるエネルギーにもなっています。

そのエネルギーを生み出すためには第3層の理性によってコントロールされる事が重要です。
健康な人の脳では、大脳辺縁系は大脳皮質と通信をしながら適切にコントロールされています。

 

<大脳皮質> 第3層・理性の中枢

大脳辺縁系のさらに上にある大脳皮質は理性の中枢です。

その中でも前頭葉は脳の司令塔とも呼ばれる場所で、複雑で高度な
認知機能を発揮します。

生まれてから約20年かけて発達し、大人としての理性を持つようになります。

日頃の訓練や習慣も認知機能に影響します。

使えば使う程発達しますが、使われなければすぐに機能低下する部分でもあるのです。

 

 

●大脳辺縁系が暴走すると・・・

大脳辺縁系は人間関係に反応する部分です。

この部分が暴走すると、反社会的な行動を起こすことさえあります。

ピック病という病氣をご存じでしょうか。

前頭側頭型認知症とも呼ばれ、主に脳の前頭葉と側頭葉が萎縮する病氣です。

人間らしさを司る前頭葉が機能不全に陥ると、まるで人格が変わったように見えたり、
特有の異常行動を起こす症状が表れる認知症の一種です。

例えば、現役の時はよく働いて社会的に信頼されていた人が
定年退職した後に怒りっぽくなったり、まるで人が変わったかのような
言動をするといったケースです。

この病氣は何年もかかって前頭葉、側頭葉の神経細胞が壊れていきます。

しかし、初期の頃は記憶力や状況を認識する力はそれほど異変が無く、
1人で外出することも出来るため、氣づかれにくいです。

また、発症割合が少ないため、理解されずに症状が悪化することもあります。

ピック病は大脳辺縁系が暴走している状態です。

大脳辺縁系をコントロールする大脳皮質が壊れているため、
制御が効かず、治らない病氣です。

理性が無くなり、欲のまま行動してしまうと言っても良いでしょう。

 

●大脳皮質について

第2層が暴走すると、非常識と取られるような迷惑行為を
無自覚に繰り返してしまう事があります。

本人も家族も対応に追われ、精神も疲労困憊します。

反社会的行動をしなくても、第3層が機能しなければ、
自分で身の回りの事が出来なくなっていきます。

孤独感、不安や心配など、一生解決できない問題に苦しむことになるのです。

若々しく健康でいるためにも大脳皮質がしっかり働き続ける事が重要です。

大脳皮質の中には脳の中枢とも言われる前頭葉があります。

前頭葉は言葉を話す、コミュニケーションをとる、思考する、意思決定、
意識や注意を集中する、注意を分散させる、行動を制御するなど。

脳の中で最も高度な働きをしていて、人間らしさを生み出している場所です。

人間が幸せな人生を送るための鍵は、前頭葉にあるのです。

 

●脳の司令塔を働かせる

大脳辺縁系を暴走させないためにも大脳皮質をしっかり働かせること、
言い換えれば衰えさせないことが大切です。

いつまでも脳が元氣でいるために重要な要素の一部を以下に挙げました。

<筋力をつける>

筋力が落ちると認知症リスクが上がります。

運動不足、家の中でもあまり動かず家事労働量も少ないと
筋力が下がって出かけるのが億劫になってしまいます。

足の健康は脳の健康に繋がっています。

筋肉を使うと脳が刺激されて、活性します。

外出すると体を動かすと同時に五感から情報が入って来るので、脳にとても良いのです。

 

<肥満に要注意>

肥満は万病の元と言われますが、脳にも悪影響を及ぼします。

肥満度が高くなるほど海馬の萎縮が進行することが明らかになっています。

海馬は脳の中で記憶を司る場所で、記憶する前の情報を一時的に保存しています。

さらに学習や技能の習得にも海馬は力を発揮しています。

また、過去の記憶や経験をもとにした判断もされています。

海馬の萎縮は認知機能の低下に直結し、放っておくと認知症リスクが高まるばかりです。

ただ、同じように太っていても女性に多い皮下脂肪型の肥満には
それほど海馬の萎縮は表れませんが、
男性に多い内臓脂肪型の肥満タイプは海馬の萎縮が顕著に表れます。

肥満自体が病氣の温床ですので、肥満にならない生活を心がけ、
肥満の人は重篤な病氣になる前に早く改善しましょう。

 

病氣がどんどん増え続け、高齢化も加速しています。

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、
2024年には65歳以上の高齢者がいる世帯数が2760万4千世帯となり、
全世帯の50.3%を占めています。

このうち高齢一人暮らしの世帯が903万1千世帯(65歳以上の者のいる世帯の32.7%)で
最も多く、次いで夫婦のみの世帯は878万6千世帯(同31.8%)となっています。

老々介護と言われるように病氣の人が病氣の家族を看るケースも
珍しくなくなってきました。

本来なら看病される状況の人が同居している家族の面倒を見るという
過酷な生活を送る方も増えていきます。

誰しも年を取る事は避けられません。

しかし、健康でいられるかどうかが大きな差になります。

朝目が覚めて自力で起き上がる、自分で服を着替える、
朝ご飯を作って家族と会話しながら食べる、歩いて外へ出化kる、
夜ご飯を食べて、お風呂に入って眠る。

自分の事は自分でするという当たり前の事が
いくつになっても出来る人はとても幸せだと思います。

健康でいられるだけで自信になりますし、若い世代に希望を与えます。

病氣を遠ざける習慣を1つでも多く身につけて、続けていきましょう。

山本和佳