・2つのルート
・糖の代謝が悪くなると老化に拍車がかかる
・危険要素を知って予防する
老化そのものは生きている以上避けられませんが、
その速さには個人差があります。
細胞レベルで若くいるためには、糖化を抑える事も重要な要素です。
糖化とは、食事などから摂った余計な糖がたんぱく質と結びついて
AGEsという老化促進物質が発生し、体の組織が劣化していく現象を指しています。
糖分を摂りすぎると、AGEsが蓄積されていきますので
長く生きている人の方が多い傾向があります。
それは個人の食事習慣によって差がつきやすく、
特に40代以降はAGEsの量が多い人は老化が加速して、
体が早く衰えたり、外見からも老けた印象を受けます。
体にAGEsが蓄積されるには2つのルートがあります。
①体内で余った糖がタンパク質と結びついて、AGEsが生成されるルート
②食べ物にもともと含まれるAGEsが口から入って来る。
AGEsが体内に蓄積されると血管、内臓、肌など
体中のたんぱく組織が劣化して、ハリや弾力を失い、
体の活力も無くなって老化が加速し、病氣のリスクを作ってしまうのです。
そして、糖化は体内だけ起きているのではありません。
糖とタンパク質が結合して、タンパク質を変性させる反応は全て糖化です。
例えば、ホットケーキやパンをトーストした時にこんがり焼けるのも糖化反応です。
食品中のAGEsは、高温で加熱するほど増え、同じ食品でも
加熱の度合いによってAGEsの量は全く異なります。
食パンに何も塗らないでトーストするだけで、AGEsが1.5倍も増えます。
さらにバターを乗せて焼くと、なんとAGEsが50倍に激増します。
他にも以下のようにこんがり焼いたり、揚げたものや高温で調理したものは
AGEsがたくさん含まれます。
ワッフル、フライドポテト、ポテトチップス、クッキー
ローストビーフ、ホットドッグ、チキンナゲット、ハンバーガーなど。
このようなものを食べていると、糖化がどんどん進みます。
●タンパク質が硬くなる
外的要因合または内的要因によってAGEsが体内で増えると、
それが体中で悪さをし始めます。
ご存知のように、体のほとんどはタンパク質で出来ています。
細胞、肌、髪、血管、臓器など様々な器官にタンパク質が含まれています。
通常はこれらタンパク質が内側から支えて、弾力や柔軟性を保ちます。
赤ちゃんの肌は弾むような弾力があり、
幼い子どもはぴょんぴょん跳ねるように歩いたりします。
しかしAGEsはタンパク質を抱き込むようにくっついて、
タンパク質を硬くしてしまいます。これを「AGEs架橋」といいます。
すると、タンパク質は弾力や柔軟性を失います。
これが血管で起きると動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞になり、
肌で起きるとたるみ、シミ、シワが増えてしまいます。
●コロナの重症化への影響
糖化の悪影響は予想だにないところにも及んでいます。
新型コロナウイルスに感染して、風邪に似た症状で済む人がいる一方で、
中には重症化する人もいました。
重症化するかどうかについては、医学研究によって
AGEsが関与していることが明らかになりました。
体の中で炎症が起きると、破損した組織など炎症の元になる物質と
AGEsがの受容体が結合するようになります。
こうした結合が心臓や肺で起きると、コロナの重症化に
大きく影響することが分かってきたのです。
●肺機能への影響
AGEsが体内に蓄積されると、感染症のリスクも上がる傾向にあります。
それは糖化による肺機能の低下と関係があります。
AGEsが多い高齢者は肺機能が悪化すると言われています。
・呼吸が浅くなる
・ちょっと体を動かしただけで息が苦しくなる
・息を吸ったり吐いたりする事自体を苦しく感じる など
年々AGEsが蓄積すると、高齢になってから肺機能が低下しやすくなり、
COPD(慢性閉塞性肺疾患)や呼吸困難のリスクが高くなります。
肺機能が衰えると、感染症にかかりやすくなります。
AGEsの蓄積に加えて、肺機能の低下もコロナが重症化する要因になりますので、
早いうちから糖化を抑える対策をしましょう。
●筋肉量の減少
年齢を重ねてもはつらつとして活動する人がいるかと思えば、
体が早く衰えて、歩いたり日常の動作がおぼつかなくなる人もいます。
実はこれにもAGEsが関わっているのです。
ある実験によると、
男性70名(平均年齢59歳)、女性62名(平均年齢60歳)を対象に
体組織やAGEs量を検査した結果、体の筋肉量とAGEs量が
反比例している事が判明したのです。
これはつまり、糖化が進んでAGEs量が多い人ほど
筋肉量が少ないという事です。
先にも書きましたが、筋肉やそこへ酸素や営養を運ぶための血管も
タンパク質でできており、それらが糖化によって変性・劣化して
筋肉量の減少に何らかの影響があると考えられているそうです。
また、筋肉がしっかりついていれば糖の代謝もスムーズに行われますが、
筋肉の減少によって、余った糖が糖化を促進してしまうという
両面からの弊害があります。
若いうちは甘いものを食べて筋肉が減るという体感は感じにくいと思いますが、
糖分を過剰に摂っていると、高齢になるほどハンデを背負うことになります。
生き物には危険を回避する力がもともと備わっていて、それは人間も同じです。
物理的に攻撃を受けたり大きな音で脅かされたら
咄嗟に逃げて危険を回避しようとします。
激しい痛みからは反射的に離れようとすぐさま動きます。
しかし音もなくやって来る危険に対しては、人間はどうしようもなく無防備です。
糖化はじわじわとやって来る。それが一番怖いところです。
糖化が体に惹き起こす問題を予め知って、病氣から身を守りましょう。
山本和佳