カップ麺でオランウータン絶滅の危機・その1

パーム油は、世界中で使われている油脂の中で、最も消費量の多い油です。
私たちが使っているパーム油のために、ただでさえ絶滅が危惧されているオランウータンが森を追われているのです…

パーム油をご存知でしょうか。

大豆油、菜種油、オリーブオイルなどなど、様々な植物油がありますが、パーム油もパームヤシ(アブラヤシ)の果実から搾油される植物油です。

このパーム油、今では大豆油を抜き、世界で最も消費量の多い植物油となりました。

パーム油は年間4580万トン(2010年)、世界で一番たくさん生産されている植物油です。

パーム油は1960年代から急激に生産量が増加し、2005年には3380万トンで、大豆油を抜き生産量第1位となり、その後の伸びも他の植物油には見られないものです。

人口増加につれて植物油の需要はどんどん伸びていますが、それに対応しているのはパーム油です。アブラヤシの単位面積あたりの収穫量は3.8トン/ヘクタール、菜種の0.59トン/ヘクタール、大豆の0.36トン/ヘクタールと比べると群を抜いています。

http://www.bctj.jp/borneo/borneo_palm.html

そんな世界中で使われている油ですが、パーム油、と聞いてそれがなんなのかパッと思い浮かぶ人は少ないかもしれません。
パーム油は、日本から遠く離れたボルネオで生産されています。

パーム油とは、アブラヤシというヤシ系の実からとれる油で、インドネシア・マレーシア・ブルネイ、この3ヶ国の領土であるボルネオ島がパーム油の最大生産地となっています。

*ボルネオ島-東南アジアの島で、面積は725,500km²。日本の国土の約1.9倍の大きさ。
世界の島の中では、グリーンランド島、ニューギニア島に次ぐ、面積第3位の島である。

パーム油の原料になるアブラヤシの実は、年間を通して大量に収穫でき、さらに単価が安いことで、大豆油などを抜き、今ではほとんどの商品(9割が食品)にパーム油が使われています。

パーム油が何に使われているかというと、
イ ンスタントラーメン、フライドポテトなどファストフードの揚げ油、パン、マーガリン、マヨネーズ、ポテトチップス、チョコレート菓子、アイスクリーム、ス ナック菓子揚げ物用油、スナック類のショートニング、などの食品のほか、洗剤、シャンプーなど日用品の原料としても幅広く利用されています。

70年代以降、パーム油の需要が急激に伸び、それに伴いアブラヤシのプランテーションが拡大しました。

アブラヤシのプランテーション
75年-約500,000ヘクタール
06年-約4,000,000ヘクタール
(約30年で8倍!)

70年代のボルネオは、86%が熱帯雨林でしたが、その後減少を続け、原生林でいうとなんと5%程度しか残っていないそうです。

ボルネオ島には420種類以上の鳥類と222種の哺乳類が棲息し、そのうち半分は熱帯雨林がないと生きていけません。

そんな動物のなかで、マレーグマやオランウータンなどの大型哺乳類が飢えている姿が目撃されています。

オランウータンは、過去100年の間に92%も減少、ボルネオだけでも過去60年間で個体数は半減してしまいました。

パーム油の増産によって、オランウータンをはじめ、様々な動物が森を追われています。

私たちがスーパーやコンビニなどで日常目にしている、インスタントラーメンやパン、お菓子類、そしてファーストフードなどにパーム油が使われ、そのパーム油の大生産のために遠い島国で動物たちが棲家も食べ物も奪われていたのです。

パーム油の輸入国は上位からインド、中国、パキスタン、オランダ、バングラディシュ…日本も15位に入っています。

日本のパーム油輸入量の85%、48万8300万トンは食用です(2010年)。これを1億2750万人で割ると、一人あたりの消費量になります。計算すると3.83kg、つまり10平方メートルのプランテーションから採れるパーム油を食べているのです。

http://www.bctj.jp/borneo/borneo_palm.html

パーム油が使われた、上記に記した物を買うということは、オランウータンや、ボルネオ島に棲んでいる動物たちを絶滅に追い込むことに加担しているということを忘れないでください。

(つづく)

木野 実